「ファシアスリック」とは、ファシア=筋膜、スリック=滑らかに整える、と言う意味から来ています。
皮膚の上から専用の器具(インストゥルメント)で筋膜組織をこすり、絡み合う筋膜組織の乱れを整えて、癒着を開放します。
使い過ぎ(オーバーユース)などによる慢性炎症など、多くの症状が、筋膜繊維の変性によるものと近年わかってきました。
日常生活の動作や習慣などで乱れた筋膜を整えることにより、正しい姿勢に戻し、血液、リンパの循環を改善いたします。
整った筋膜により、本来の組織を再生修復することで、元来の機能強度を回復して、ケガをしない身体を取り戻します。
当院の筋膜リリースは、インストゥルメント(以下、器具)と呼ばれるステンレス鋼製の器具を用います。
異なる大きさ・型・重量にデザインされ曲線エッジは、凸湾型凹湾型の身体の各部位にぴったりと合う形状に設計されています。
部位、症状によって器具を変え身体の不調の原因になる硬くなった組織、癒着した部位を器具でこすり取るようにし、解放して正常な状態に戻してゆきます。
手技との違いは、軟部組織に癒着がある部位は器具の伝わり方が違います。
まるでキレイな道路から悪路に入る瞬間、道路の少しの繋ぎ目を乗り越える瞬間などが分かるように、反応する音叉のごとく器具を通して伝わってきます。
手ではわからない感覚が器具に宿ります。
荒れたグラウンドをならすトンボのように、癒着した部位を特定し整えてゆきます。
もうひとつ大きな特長は、手では深くて入り込めない部位にも器具を巧みに操り、整えることが可能です。
軟部組織の癒着をはがし、整えるために、ある程度の痛みを感じることがあります。
固って動きが悪いところは、少し強めの刺激で癒着をはがす必要がありますが、術者と呼吸を合わせることで、痛みを抑えられます。
他の治療法と比較すると、もみ返しと呼ばれる好転反応や、施術部位に熱感を生じることがあります。
しかし、このときに患部に新しい血液が送られ軟部組織の癒着や筋収縮が整えられている証拠であり、施療後の可動域の改善、身体の軽さを実感していただけるはずです。
実際に受けていただく時は、衣服の上からではなく、できるだけ患部に直に器具で刺激することをおすすめします。
施療後は、できるだけ多めに水分を摂っていただき、ゆっくり過ごすようにしてください。